ひとりでできた

朝、ゲンキが起きても父Jは寝たまま。
昨夜、寝ついた時間が遅かったらしい。
朝食準備の合間に、ゲンキを着替えさせる。
ゲンキッキ、お着替えしよっか。
母Yに背中を向けながら、座ってうつむいたままのゲンキ。
ゲンキッキ、お着替えしようよ。
何度声をかけても、黙ったままで背中を向けている。
ゲンキッキ、どしたの?
のぞきこんでみると、自分でパジャマのボタンを外そうとしている!
しかも、既に2つ外していて、3つ目と格闘中。
お父さん!お父さん!見て下さいよ!
「あ〜?」
薄目を開ける父J。
ゲンキがパジャマをひとりで着替えようとしてますよ!
「おおお〜」
メガネのない裸眼で、目を見開く父J。
ゲンキ、がんばれ!
めげそうになりながらも、粘るゲンキ。
以前教えたように、ボタン穴に人差し指を通して、ボタンを取り出そうとする。
しかしゲンキ、そのやり方はボタンをはめる時で外す時ではないのだよ。
はっ、と気づいたらしく、ボタンを穴から半分外してから、人差し指と親指でボタンを摘む。
そうだっ、ゲンキ、そんでもってそのボタンを引っ張るのだ!
よいしょ。
おおお〜、できた!できたではないか!
もうひとつ残ってるよ。できるかい?
今度はさっきより楽々外す。
すごい、すごいぞ、ゲンキ!
ものすごく嬉しそうに笑うゲンキ。
もしかして、ズボンも自分で脱げるんでない?
すくっと立ち上がって、ズボンの腹巻部分に手をかけて下げる。
よしっ、あとはお尻のほうも引っ張るのだ!
よいしょ、よいしょ。
ずるずるとズボンを下げて、母Yの肩に掴まりながら、足踏みするようにズボンを脱ぐ。
おおお〜!ズボンも脱げた!
てことは、おむつもか?おむつも自分で脱ぐのかっ?
ニコニコ笑いながら、同じ要領でおむつも脱ぐゲンキ。
朝からすっぽんぽんで大笑顔。
よくやったぞ、ゲンキ!
親子で大拍手。
あっ、いかんいかん、早く服を着せないと風邪引いてしまうがな。


自分で着替えをしろとも言っていないのに、突然ひとりで出来るようになるもんだなあ。
旅行中も、突然「かわ!」と外を指さしたり、
「だんぼ!」と言うから何のことかと思ったら、田んぼのことだったり、
毎日新しい言葉をたくさん発するようになった。
気づけば「たーたん、ぶーぶー、まえ」(お父さん、車の前の席に乗ってる)と3語文を話している。
バスのことも「ば!ば!」ではなく「ばしゅ」と言うようになった。
2歳を迎えた途端、どんどん成長するゲンキである。
楽しいけどさ、ゆっくりでいいからね、ゆっくり。