再び父の味

本日、父Jの抜糸はめでたく完了。
今度こそ本当の全快祝い、のはずなのだが、夕食は父Jのお好み焼きになった。
父J、確か昨年の誕生日もセルフでしたよね。。。
何が食べたいですか?って聞いたら「大トロとケンタッキー」ってものすごい答えが返ってきて、
大トロはサクで買っておいたけど、母Yはゲンキの世話と授乳で行き倒れて、
父Jは自分で大トロを切り、自分でケンタに電話してデリバリーを頼んで、
ひとりで誕生日ディナーを食べたのだった。
授乳後のうたた寝から目覚めて、ぬぼ〜っと部屋から出てきた母Yを見ながら
「俺、かわいそう」とつぶやいた父J・40歳の春。
今年は、もうちょっとマシな誕生日にしますから。


それはともかく、ゲンキはすっかり父Jのお好み焼きが大好きに。
父Jがお好み焼きを焼く姿もわくわくしながら見ている。
「ゲンキの分もちゃんとあるぞ〜」
母Yが茹でておいたミックスベジタブルとともに、ゲンキ皿に盛られたお好み焼き。
どう考えても、規定量の3倍近くありますね。
「えっ、多かった?」
間違いなく。


しかし、というか、やっぱり、というか、ゲンキは猛烈に食べた。
母Yが茹でておいたミックスベジタブルも平らげた上に、
プチパンケーキ6枚分はあるであろうお好み焼き(サイコロ切りにしてある)をニコニコしながら食べ続ける。
多すぎると思われた分は別皿によけておいたのに
「ん!ん!(もっと!もっと!)」と要求して、ついに最後のお代わり分まで皿によそわされた。
が、ゲンキは明らかに満腹の様子。
食べるペースもかなり落ちている。


ゲンキッキ、いくらなんでももう限界じゃないのかい?
のろのろとピースに手を伸ばし、のろのろと口に運ぶゲンキ。
おもむろに口を開けると「ふう〜ふう〜」とお好み焼きを冷ますような仕草。
え、もう冷めてますけど。
口には入れずに、また皿に戻す。
今度は別のピースをつまんで、またのろのろと口元に持って行って「ふう〜」。
ゲンキはん、どうしたんですか。


「もしかして『食べたいんだけどもう食べられない、ふう〜』ってため息ついてるんじゃない?」と父J。
え、そうなの?
また「ふう〜」するゲンキ。
父Jと2人で爆笑。
いいから、無理しないで、残しなさい。
残しなさい、と言われた言葉に反発したのか、思い切ってひとつ口に入れるゲンキ。
それがはずみになって、結局全部食べきった。
ゲンキッキ〜、どう考えてもこれ、3歳児並みの量だよ。
満腹で返事をするのもつらそうだが、笑顔を浮かべるゲンキだった。
まぎれもなく母Yの血だ。恐ろしや。


しかし、あの「ふう〜」の表情は傑作だった。
写真に撮りたかったなあ。
ゲンキは、たまにすごく面白い表情をする。
まだ離乳食中期の頃、スライスしたリンゴを自力で噛んで食べさせようとしたことがあった。
口元に持っていっても噛んでくれないので、
母Yが「じゃ、お母さんが食べちゃお〜」とひと口ずつ食べていったら、
ゲンキの皿に戻した時にはほんの小さなかけらになってしまった。
それを見たゲンキが、ひどく怪訝そうな顔をしたのが忘れられない。
「えっ、ぼくのリンゴは?なんでこんなに小さくなったの?なんで?」と言っているみたいだった。
つい先日も、ゲンキが乾いた洗濯物を入れておいたカゴで遊んでいた時に、
他のおもちゃで遊び始めたので、さっさと洗濯物をたたんだら、カゴのところに戻ってきて、
「あっ!(ない!)」と大口を開けて目を丸くしていたのもかなり面白かった。
そういう表情って瞬間のものだから、どうしても画像や映像には残せない。
しっかり覚えておきたいけれど、毎日があっという間に過ぎていく中で、どんどん上書きされてしまう。
仕方ないことだけれど、ちょっと残念。
だからこそ、その時その時を大切にしなくちゃいけないね。