初保育園

今日、ゲンキを初めて保育園に預けた。


父Jの入院が決まった時点で、ゲンキを連れて面会に行けるかどうかわからなかったので、
あらかじめ一時保育の申し込みをしていたのだった。
幸い、父Jが入院している総合病院はベビーカーでの面会を受け入れてくれていて、
入院しているフロアは形成外科と産婦人科のみなので、感染の心配も低いことから、
連れて行けることになったのだけれど。
病院で幼児の声が聞こえると気に障る患者さんもいるし、
せっかくの機会なので、思い切って預けてみた。


預けるにあたって一番憂鬱だったこと。
それは、名前付け。
一時保育でも、着替えや持ち物すべてに名前をつけるようにと説明書に書いてある。
事前に受付で聞いてみたら、他の子の荷物と区別するため、靴下にも名前を付けねばならないという。
おやつのタッパーとか、マグとかは、テプラのシールを貼れば済むとして、着替え類はどうする。
タオルは、1歳のお誕生日にユウちゃん一家からいただいた名前の刺繍入りタオルがある。
スタイは、どうせもうシミシミになっているから、裏にマジックで名前を書けばいい。
が、色物のシャツとかスパッツは?
もしかしたらお下がりで使うかもしれないし、マジックで無理やり書くのは嫌だ。
仕方ない、布に書いて縫い付けるか。


使えそうな布は、昨年作った汗取りガーゼの余り布くらい。
ガーゼだけに、布目が粗い。
マジックで名前を書くのも、ひと苦労だ。
なんかこ汚いなあ。ま、いいか。
チョキチョキ。
ガーゼ生地は糸くずが出るなあ。ま、いいか。
ちくちく。
ぬう、生地と糸の太さが変わらんぞ。
つうか、縫っても生地が抜けてくるぞ。
とりあえず、今回の一時保育を乗り切れればいいよね。
そんな調子で、ズポン2着、長袖Tシャツ2着、肌着代わりのランニングボディTシャツ2着、靴下2組に
ちくちくと名前を縫い付けた。
超先天性不器用なため、1時間半ほどかかって何とか終了。


それにしても、裁ちっぱなしのガーゼ生地に、何度もなぞるように書き込んだマジックの名前。
ううう、みすぼらしい。
昔のコントに出てくる貧乏家族の子供役の衣装みたいじゃないか。
これって、物心ついた子供なら、絶対に恥ずかしい。
保育園の若い先生がこれを見て「うそー、ありえなーい、ゲンキくんかわいそ〜」と思う確率200%。
すまん、ゲンキ。今の母Yにはこれが精いっぱいなのだよ。
つうか、保育園に預けている他のお母さんたちはどうしてるんですかね。
ひとつひとつ刺繍とかするんだろうか。
でもさ、働いているお母さんたちは、そんな暇ないよね。
アイロンプリントとか?
一体どうやってるんですか〜。教えて下さい。


そんなこんなで、前日夜中に夜なべして名前付けをして、いざ初保育園。
面会時間が午後3時からなので、午後2時半から6時半まで預かってもらうことに。
民間の保育園なのだが、今年の3月末までは区と提携している関係で、4時間以内は1500円と格安。
保育園の向かいにある無料のプレイルームには、時々遊びに行っているので、
ゲンキも見慣れているから、まったく初めての場所よりはマシかなあ。
母Yが説明を聞いたり、荷物をロッカーに入れている間、
ゲンキはさっそく先生に抱っこしてもらって、悪くなさそうな気分。


じゃ、ゲンキッキ、お母さん行ってくるからね〜。
先生とお友達と仲良くして待ってるんだよ〜。
うえーん。
あいや〜、やっぱりダメか。
下手に声をかけないほうがよかったかなあ。
でも、4時間も離れるのに、何も言わずに姿を消すのは気が引けたんだよ。
保育園の先生たちは慣れたもので
「気にしないで行ったほうがいいですよ。大丈夫ですから」と送り出される。
わかりました。お願いしますね。
うえーん。
ゲンキッキ、がんばるんだよ〜。
そそくさと退場する母Y。
ここで振り返ってはきりがないので、そのまますっぱり病院に向かう。


父Jは、昨日より少し痛みがマシになったものの、夜はまだ眠れないという。
環境の変化に敏感な人なので、気持ち的にも落ち着かないのだろう。
睡眠が取れると、一気に回復するんだけどね〜。
「なんかさ〜、そばにゲンキがいなくてお母さんと2人で話してるのって変だね」
確かに。つかず離れずどっちかと一緒にいるもんね。
「ちゃんと他の子たちと仲良くしてるかなあ」
どうですかねえ。泣きっぱなしとかじゃないといいんですけど。
なんて、つらつら話していたら、車椅子に座っていた父Jの足の痛みが強くなってきた。
ゲンキのことも気になって、早々と面会を切り上げる。
結局、予定より1時間も早くお迎えに。


保育園に着くと、ゲンキは先生2人を独り占めしてご機嫌で遊んでいた。
今日は、他のお友達のお迎えが早くて、みんな退園してしまったのだそうだ。
初めはぐずったものの、しっかりお昼寝を1時間して、その後は普通に遊んでいたというので、ひと安心。
といっても、お友達とはあまり遊ばず、
手が空いていそうな先生を見つけては、とてとてっと歩いていって、
足元で両手を広げて「抱っこ!」のポーズをかましまくっていたらしい。
で、入口のドアを指して「あっちに連れて行け!」と要求していたらしい。
「お母さんがあそこのドアから出て行ったから、あそこからまた来るはずだってわかってるんですね」
と先生。なるほどね〜。
あとは、窓から電車を見たり、車のおもちゃで遊んだり、乗り物によく興味を示していたとのこと。
ふむふむ、やはり預けてみると客観的に様子がわかっていいね。
ただし、おやつは全然食べなかったそうだ。
いつものパン耳を持参したのだけれど、先生があげても「いらない」と拒否されたそう。
知らない人から食べ物を与えられても食べないというのは、動物の本能かもしれないな。
(そのパン耳は、帰宅後に夕食と一緒にぺろっと食べた。)


先生が2人がかりで遊んでくれている最中でゲンキは名残惜しそうだったが、
今日の保育はおしまい。
次は土曜日の午前中にまたお願いすることになっている。
今度はお弁当作らなきゃいけないんだよな〜。
何事も経験、経験。