ゲンキ大泣きの巻

ゲンキの誕生以来、初めて2人きりの生活。
ゴミを出して、朝食を済ませて、洗い物をして、洗濯をして、掃除機をかけて、結露を拭いて。
午前中は大忙しだ。


11月末に掃除機を買い換えたおかげで、掃除はかなり楽になった。
念願のオキシジェン。
ミーレとギリギリまで悩んだが、オキシジェン・ユーザーであるミキちゃんの体験談を聞いていたので、
やはりオキシジェンに軍配が上がった。
窓を閉め切ったままでも掃除機がかけられるほど、排気がクリーン。
ゲンキがそばにいても、気にせず掃除が出来る。
吸引力も、国産の掃除機とは比べ物にならないくらい強力。
「フローリングの溝のほこりまでキレイになった!」と父Jがビックリしていた。
値段の高さと重量が難点だが、掃除機なんて滅多に買い換えるものではないし、
思い切って買ってよかったなあ。


母Yが家事をしている間、ゲンキは時々グズりながらも、
自分でおもちゃ箱からおもちゃを取り出して、一生懸命ひとりで遊んでいた。
いつもは母Yが読んであげている『Zara Zebra Draws』も、もくもくとページをめくっている。
父Jがいない間、ゲンキなりに頑張ろうとしているのだろうか。
けなげなやつ(久々親バカモード)。


そうはいっても、やはりさびしん坊なので、ゲートにかじりついて泣き始めたところで
家事は中断。
しばらく一緒に遊んんでいると、ゲンキから昼寝のサインが出たので、
父Jにならって、おんぶひもで寝かしつけをしてみた。
10分で熟睡。ビバおんぶひも。
昼食の準備を済ませてから、母Yも横になる。
目が覚めたら午後1時半。嘘だろう。
父Jの面会に間に合わなくなってしまう。
慌てて自分の昼食を済ませる。
ゲンキは、結局2時近くまで寝ていた。
昼食を食べさせて、準備をして、家を出たのは3時過ぎ。
病院に着いたのは、4時を回っていた。


昨夜の父Jは、慣れない入院生活と傷口の痛みでほとんど眠れなかったらしい。
1時間近く談話室で話をして、帰宅したのは午後6時前。
片手抱っこで、慌てて食事の支度をする。
冷凍でストックしておいた里芋バーグ、ブロッコリー、さつまいもご飯。
どれもゲンキの好物なのに、手づかみ食べの途中でグズグズに。
食べても、すぐ吐き出す。
冷凍だったから、美味しくないのかい?
ためしに味見をするが、特に不味いわけではない。
里芋バーグとブロッコリーは、何とかスプーンで食べさせる。
しかし、さつまいもご飯は頑として拒否。
とうとう泣き始める。


もしかして、うんち?
そうだ、きっとうんちだ。
じゃ、お部屋に行こう。
急いで手を拭いて、部屋に戻る。
が、ますます大泣き。
お腹と背中をさすっても、のたうちまわって泣く。
どうしたんだい、ゲンキッキ。どこか具合が悪いのかい?
こんなに激しく泣くゲンキは初めて見る。
抱っこしても、全然泣き止まない。
まさか、病気?
父Jがいない時に限って。
もう7時になるから、病院に行くとしたら救急だ。
頭の中でいろいろなことを考える。


抱っこして部屋を歩き回っていると、泣きながらゲートの向こうを指差すゲンキ。
台所に連れて行ってみる。
泣きながら指を指した先には。
バナナ。
え?バナナが食べたかったのかい?
「ん」とうなずくゲンキ。


え〜〜〜、バナナであんなに暴れたの〜〜〜???
ああ、そうか、食事の支度をしていた時に、バナナが視界に入ったんだ。
で、夕食に食べられるもんだと思ってたのに、皿の上には乗っていないし、
関係ないものばかり口に運ばれるから、キレたんだ。
とりあえず、抱っこしたままダイニングの椅子に座って、バナナをむく母Y。
はい、ゲンキッキ、バナナだよ〜。
ぱく。
しゃくりあげながら、バナナを食べるゲンキ。
1本食べ終わる頃には、すっかり泣き止んでいた。
それから、さっき猛烈に拒否したご飯も全部平らげる。
参ったなあ。何事かと思ったじゃないか。
泣きすぎだつうの。


とはいえ、ゲンキにとっては重大問題だったのだろう。
食べ物に対するこの執念、誰に似たんだ。
ええ、わかってますとも。間違いなく母Yの血です。
これから先が思いやられるぜ。