お約束

最近、ゲンキの背がぐんぐん伸びている。


手が届かなかったはずところに、いつの間にか触れるようになっているので、気が抜けない。
部屋の照明のスイッチに結んでいた紐を引っ張って電気を消せるようになったし、
畳んだ布団に乗れば、出窓の障子を開け閉めできるようになってしまった。


母Yが台所仕事をしていると「あーっ!」と父Jの声。
どうしました?
「やられた〜」
部屋に行くと、障子に穴が開いていた。
お約束ですなあ。
穴だらけになるのも時間の問題だ。


以前「この部屋の障子を最初に破くのは、ゲンキでも僕でもなく、お母さんだと思う」
と父Jに言われたことがある。
おいらもそう思っていた。
何せ粗忽者なので。
果たして、記念すべき第1号は、そう言った父J本人であった。
父Jは、毎朝ゲンキ部屋の掃除をしてくれるのだが、出窓においてあった母Yの荷物に気づかずに
ガリガリ〜っとやってしまったらしい。
そして、第2号は母Y。
障子を開けようとして、何故か取っ手ではなく、障子に指を突っ込んでしまった。
結局、一番穴を開けそうなゲンキが最後だったね。
両親にならって、穴を開けなくては!と使命に駆られたのか。


思いっきり余談だが、最近、父Jと母Yの腹回りがヤバイ。
樽のようになりつつある父Jの腹は通称「メタボ」と呼んでいる。
メタボリック・シンドロームに気をつけるように、との警鐘の意味をこめているのだが、
繊細な父Jはいちいち傷つくらしい。
「お母さんだって、人のこと言えないじゃないか!」
いや、おいら、腹は出てるけど、ウエストは妊娠前と変わりませんよ。
26インチのジーンズはけてますから(それは本当)。
出てるのは腹だけです。しかも、ものすごく。
「あ〜、わかった。地獄にいる人みたいな感じね」
地獄にいる人、、、、、おいら餓鬼ですか。
確かにあんな体型ですが。
メタボな父と地獄にいる人っぽい母の組み合わせってどうなんだろう。
ゲンキ、こんな親ですまん。