鼻の穴

ゲンキがジーっと母Yの顔を見ている。


ゲンキッキ、何か言いたいことがあるのかい?
まったく表情を変えず、おもむろに手を伸ばすゲンキ。
ずぼっ。
そのまま親指を母Yの鼻の穴に突っ込む。
何でやねん。


ゲンキはん、ばっちいばっちいだからやめなはれ。
手を取って、指を抜く。
ばっちいから指ふきふきしようね。
ティッシュを取ろうと思ったら、その隙にもう片方の鼻の穴にまたずぼっ。
こらこらこらー。やめなはれ。
指をふきふきしている間も、ジーっと母Yの顔(正確には鼻の穴)を見ているゲンキ。
ぐぐっと顔を近づけてくる。
穴の奥に何があるのか、気になるらしい。


ゲンキッキ、キミにもあるんだよ、鼻の穴。
お父さんにもあるし、みんなにあるんだよ。
「ふーん」という表情で、見つめ続けるゲンキ。
ずぼっ。
だ〜か〜ら〜、指を突っ込むのはやめなはれ。


毎日見ているのに、急に興味を持つんだなあ。
次は耳の穴に興味を持つかもしれない。注意しておこう。