はじめての病院

といっても、出産した病院には、検診や母乳外来でちょくちょく通っている。
今日は、出産した病院ではない小児科に、はじめてお世話になった。


ゲンキが生まれた病院は、ロック家から車で40分ほどのところにある。
ちなみに電車でも40分。正直、遠い。
里帰り出産でなければ、自宅からなるべく近い病院で出産する人が多いと思う。
その病院は、今の家に引っ越す前に住んでいた家から車で10分の距離だった。
母Yは、とにかく身体の故障が多いので、受診科の揃った総合病院のほうが都合がよい。
通い始めたきっかけは頭痛専門の外来があったからだが、
胃炎の治療や緑内障の検査など、あちこち診てもらった。
どの科もよい先生が多かったので、引っ越してもわざわざ電車で通っている。
とはいえ、お産となれば話は別なのだが、
産婦人科の先生ともゲンキがお腹にやってくる前からのお付き合いなので、
転院先を探して外れだった時のリスクよりも、長距離を通うほうを選んだ。
結果的に計画出産だったので、長距離でもネックにはならなかったのだけど。


そんなわけで、ゲンキも生まれてからずっと、遠い病院に通っていた。
つい2週間前も、6ヶ月検診で病院に行ったばかり。
しかし、どうにも気になって仕方ない。
ゲンキはよく笑う。顔中、口だらけにして、にぱ〜っと。
特に大喜びした時は口全開で、舌の裏まで丸見えだ。
その舌の裏に、ぱっくりと穴のようなものが。
しかも膿んでいるように見える。
舌の裏が白っぽいことに気づいたのは2ヶ月以上前だったが、
消えたり出現したりで、前述の病院で診てもらっても心配いらないと言われてきた。
しかし、この1週間、穴がどんどん大きくなっているように見える。
いくら能天気な母Yでも、見過ごせなくなってきた。


近所で評判の良い小児科に電話して予約を取る。
予約番号49番、午後1時15分。
多少前後するので、30分前に電話するように言われた。
午前中は春のうららかな晴天だったのに、正午過ぎには空が暗くなり、強い風と雨。
うーむ、どうしよう。とりあえず授乳はしておこう。
授乳しているうちに、みるみる晴れる。あれあれあれ。春の天気だなあ。
そうこうしているうちに病院から電話。順番なので来て下さいとのこと。
わざわざ連絡してくれるなんて、親切だなあ。
さっきの雨でキャンセルが出たらしく、30分ほど早い。
が、母乳育児経験のあるお母さんならわかると思うけれど、
一度授乳に入ると、そう簡単には切り上げられないのだ。
赤ん坊が満足する前に、ちょいとパイから口を離そうものなら、ギャン泣きだ。
結局、予約通りの時間に病院へ。


その小児科、外装はどえらいレトロな一軒家で、先生は思ったより若い男の先生だった。
父Jと同じ歳くらいかなあ。
母Yの説明を「うん、うん」としっかり聞いてくれた。
「じゃ、診てみますか」とライトがついた5cmほどの小さな器具でゲンキの口を開ける。
初めての経験に、さすがのゲンキも泣く。
「あ〜これね〜」
それです。どうなんでしょうか。
口内炎だね。大人もなるでしょ。一緒、一緒」
え、口内炎で穴開いちゃうもんですか?
「歯がね〜生えちゃってるから、当たるんだよね。
それで患部が大きくなっちゃって、なかなかよくならないんでしょう」
そうなのか〜。てっきりガコウソウかと思っていた。
結局、処方はなし。手当てをするようなものではないそうだ。
本人もいたって元気だし、気にしているそぶりもないので、自然治癒を待つように言われた。
安心したけど、やはり気になる。
せめて穴が小さくなってくれないかなあ。


それにしても、口内炎て大人はビタミン不足とかストレスとかが原因だよね。
おっぱいはよく飲んでいるから、栄養不足ということはあるまい。
うーむ、ストレスなのか?ゲンキよ。