誕生会

朝起きたら、母Yはさらに鼻が詰まっていた。
ゲンキは昨日より咳が出ている気がする。
赤ちゃんズや出産仲間に風邪をうつすことだけは避けたい。
今日は断念するか。


と、サチエにメールを送ったら「大丈夫だ、来い!」の返信。
はい、行きます。
素直に従う。
サチエ最年少、おいら最年長。
つくづく親になると、実年齢って意味ないね。


迷惑かけたくないなあと思いながら待ち合わせ場所に行ったが、
みんな、快く参加を受け入れてくれる。
母Yはマスク着用、ゲンキはなるべく隔離しておこう。
って、隔離しなくても何故かみんなから離れた場所にいるんだけどさ。
もっとフレンドリーにみんなと遊べるようになるといいね。


というわけで、出産仲間母子7組が大集合して、みんなでお誕生会。
会場は、参宮橋にある子供向けのレンタルスペース。
広いフロアに子供用の遊び道具満載、お昼寝用マットまで完備。
大人用と子供用のダイニングテーブルがひとつずつ。
キッチンに食器一式、洗面所、トイレもついて、超快適。
1時間3500円だから、参加人数が多いほどお得に利用できる。
食事は、オードブル、サンドイッチ、キッシュ、ケーキのデリバリーを頼み、
飲み物は向かいのスーパーで調達。
参加費は、母子ひと組4500円でまかなう。
すべてサチエのプロデュース。素晴らしい。
あなた、転職しなさい。


おそろいのTシャツを着た赤ちゃんズ7人は本当にかわいくて、
1年前におそろいの産着で新生児室に寝ていた時を思い出す。
みんな、片手で抱けるほど小さかったのにね。
今じゃ、サヤちゃんとヨ〜コちゃんは自由自在に歩き回っているし、
一番おっとりさんのアイちゃんもおすわりしながらハイハイができるようになった。
レイちゃんとゲンキは8kg前後と一番小ぶりだけれど、日々順調に成長している。
生まれたての頃、宍戸錠なみに大きかったリュウのほっぺは、何処かに行っちゃったなあ。
ママのオクちゃんが心配していたカノちゃんの髪の毛も随分増えたね。
たった1年で、こんなに成長するんだね。すごいね。
1年前は、この日が来るなんて想像できなかったよね。
今頃は、ひっきりなしの授乳で必死だったもんね。
みんなで深くうなづく。
誰ひとり、大きな怪我も病気もなく(あえて言うならゲンキの舌の潰瘍が一番大病だった)、
こんなにすくすく育ってくれて。
ありがとう、ありがとう、ありがとう。
子供たち自身だけでなく、親、友達、病院のみなさん、お世話になった人々。
賑やかに遊ぶ赤ちゃんズを眺めつつ、心から感謝する。


初めに記念撮影をして、離乳食を食べて、さんざん遊んだ赤ちゃんズは、
ひとり、またひとりとお昼寝タイムへ。
結局、6人がぐーすかぴーと並んでおやすみ。
思わず吹きだしてしまいそうな和みの風景。
おかげで、母親チームはゆっくりと食事ができた。
唯一寝なかったアイちゃんを囲んで、ハッピーバースデイの大合唱。
アイちゃんの代理で、ママのカオルさんがケーキのろうそくを吹き消す。
みんなの拍手に、とっても嬉しそうなアイちゃん。
誕生会、ひとりじめだね。ふふふ。


ケーキを食べながら、母親タイムは続く。
育児のこと、家庭のこと、いろいろ。
この場でしか話せないディープなトークを展開。
ディープ過ぎて、日記にも書けない。
こんなに本音で話していいのか、みんな。
さすが、病院の授乳室でお揃いのパジャマ(つうかピンクの花柄のネグリジェですよ)を着て、
化粧もせず、疲れきった顔と身体で、3〜4時間おきの授乳を乗り越えた仲間たちだ。
なんつうか、特別な何かがあるね。


性格も個性も出産前の職業も、見事にばらばらの7人。
たぶん、出産しなければ絶対に触れ合うことのなかった仲間たち。
おっさんまみれで仕事をしていた母Yは、いわゆる女性同士の付き合いが苦手だったし、
ここ数年は狭く深くの友人付き合いを守っていて、
出産する前もした後も「ママ友付き合いとかど〜でもいい」と思っていた。
気がつけば、月に1度、こうしてみんなで集まるのが、最高の息抜きであり、心の支えになっている。
子供たちが運んできてくれた、不思議な縁。
これからも、どうぞよろしく。


余談だが、そのディープなトークの最中に、
寝ている赤ちゃんズの撮影でカオルさんがビデオを回していたことが判明。
バックグラウンドに爆弾発言の数々が入ったビデオ、消去希望者多数。
おいら的には、消す前に見てみたいけど。


今日の最大のハイライトは、メッセージカードの交換だったかもしれない。
みんながそれぞれの赤ちゃんズにメッセージを書いてきて、
それを記念写真と台紙に貼れば素敵なバースデイカードに。
カオルさんのアイディアとサチエのコーディネイトで、大切な記念品が出来た。
カードにもみんなの個性が出ていて、じんわり感激。
ひとりひとり丁寧なメッセージを書いてくれたモリモリとサチエ。
色とりどりのコラージュを作ってくれたオクちゃん。
アヤちゃんのカードは、ひとりひとりの赤ちゃんの似顔絵つき。
それぞれに詩を書いてきてくれたミキちゃん。
カオルさんのカードには、四つ葉のクローバーの押し花が。
家に帰ってから、ゲンキに一枚一枚見せて、読んで聞かせたよ。


すやすや寝ていた赤ちゃんズは、ひとり、またひとりと起き出して、
あやしながら片づけを済ませ、4時間のイベントは幕を閉じた。
準備も撤収も鮮やか。
何も言わずにみんな動くし、とにかく早い。
母親だからってのもあるかもしれないけれど、そういう人たちが集まっている気がする。
「諸君たちは最高だ!」WBC王監督の気持ち。
わかりにくいたとえですみません。


親子でちょい無理してみんなに心配かけたけれど、参加できて本当によかった。
また来年も、みんなでお祝いできるといいね。
幹事のサチエ、本当にお疲れさま。
ハッピーバースデイ、赤ちゃんズ。